廃車
軽トラ・軽バンが事故車となってしまった場合、ほとんどの人は廃車を検討するのではないでしょうか?もちろん、状態によっては、廃車が妥当な場合もあります。では廃車にする場合にはどのような手続きを行わなければいけないのでしょうか。
廃車にする場合はただスクラップにすればいいというわけではありません。もちろん、スクラップすれば、乗ることができませんから実質的にも廃車になったということになりますが、それはあくまで自分の中でのことであり、書類上はいつまでも廃車にはなりません。廃車にならないということは、毎年納入する軽自動車税の納付もしなければいけないのです。「別に車がないのだから、払わなくてもいいだろう」と思うかもしれませんが、廃車手続きをしない限りは支払い義務があるのです。
まず、間違いやすいのが、普通自動車の廃車手続きと軽トラや軽バンなどの軽自動車の廃車手続きは若干異なるということです。普通自動車の廃車手続きは陸運局で行いますが、軽自動車の場合は軽自動車検査協会でおこないます。そこで一時的な廃車(スクラップにはせず、一時的に使用をやめる場合など)の場合は自動車検査証明書交付申請書、永久的な廃車(スクラップする)場合には軽自動車検査返納届を記入、提出しなければいけません。その他にはハンコ、車検証、ナンバープレート、軽自動車税申告書も添えて提出します。普通自動車と違う点は、普通自動車の場合、残存期間に応じて自動車税が返還されますが、軽自動車の場合には返還されませんのでご注意を。
放置
軽トラ・軽バンの事故車は廃車にしても、スクラップにはせずに自宅に放置しておくという人もいます。スクラップにすると、業者によっても異なりますが5,000円~1万円ほどかかってしまいます。その費用がもったいないということで、放置する人もいます。また、とりあえず乗らないから一時的な廃車手続きをして、いつか使うときのために放置しておく、もしくはそのまま動かなくなってしまったという人もいるでしょう。もちろん、家の庭、その他保管場所がある家でないと放置することもできませんが、別に悪いことでもありません。
普通自動車であれば、ただ邪魔になるだけかもしれませんが、軽トラ・軽バンだと、荷物をたくさん積めるというメリットがあります。そのため、倉庫代わり放置しておくというパターンもあるでしょう。
いつかは乗るという予定があって放置しておくのならいいかもしれませんが、ただ放置しておくと、ボディーも劣化しますし、エンジンもかからなくなってしまいます。そうなると、いざ乗ろうと思っても、修理しなければ乗れないという状態にもなりかねません。また、いつまでも倉庫代わりにというわけにもいきませんし、実際ちゃんとした倉庫のほうが使い勝手はいいはずです。いざスクラップに出そうと思っても、車が動かないと業者に依頼してレッカーで持って行ってもらうしかなくなり、さらに費用が高くなってしまうのです。当然、軽トラ・軽バンは大きくないとはいえ、廃品回収に出せるわけでもないのです。本当にいつまでも倉庫代わりにするならいいですが、スクラップ費用がもったいないというだけの理由なら、放置はやめたほうがいいでしょう。
修理して乗る
軽トラ・軽バンで事故車となってしまっても、状態によっては乗れないというわけではありません。実際中古車市場でも事故車・修復歴ありとして、格安で売っている場合もあります。もちろん、事故をしたままだと車検も通りませんから、そのまま乗ることはできません。ですが、適切な修理を行えば、問題なく乗りつづけることもできます。そのため、お金をかけて新しい軽トラ・軽バンを購入するよりも、修理して乗ったほうがいいという人もいます。また、売ろうと思っても「事故車は売れないから、直して乗る」という考えの人もいるでしょう。
実際、事故車は事故をしていない軽トラ・軽バンより車としての価値は下がります。ただ、しっかり修理をすれば、全く問題ありません。実際、海外などでは事故車も修理して乗っている人はいくらでもいます。ただ日本人の感覚としては「事故車は運転していると不具合が出てくるからやめたほうがいい」というイメージをもっています。それは軽トラ・軽バンでも同じことで、業者によっては「買取できません」というところが多いのです。
もちろん、これは同クラスの軽トラ・軽バンを中古車で購入するよりも、修理費用のほうが安く済む場合です。少しでもかかる費用を少なくするには、修理してもいいかもしれません。ただ、やはり、同じくらいの年式、走行距離、グレードの車を中古車店で購入するほうがはるかに安いという場合には、修理をしないで新しい軽トラ・軽バンを購入したほうがいいでしょう。
無料で引き取ってもらう
事故を起こしてしまった軽トラ・軽バンは「もう価値がない」と思い込む人が多いようです。となると、廃車にするしかない、と思うのでしょう。そうなると少なからず廃車費用がかかってしまうでしょう。そんな時に、中古車店やディーラー、中古車買取業者から「無料で引き取りますよ」と言われれば、廃車費用を支払うよりいい、と思いお願いする人も少なくないでしょう。
実際、自分でスクラップと廃車手続きを行うと、少なくとも費用だけで1万円、その他軽自動車協会に行く際のガソリン代、帰りの交通費など、そのためにかかる細かな経費も考えれば2万円近くかかってしまうでしょう。また、整備工場やディーラーなどに廃車手続きを依頼すれば、それ以上にかかってしまうでしょう。そのため、その手間と費用がかからなくなるのですから、きっと『得をした』と思うことでしょう。
確かに、廃車をする手間、費用から比べれば無料で引き取ってもらったほうがいいでしょう。ですが、よく考えてみると、自分で廃車手続きをおこなってもそれだけの費用がかかるものを、業者側が無料で引き取っても、同じく廃車にするのなら業者が損をするでしょう。きっとよほどでないかぎりそんなことはしません。ということは、無料で引き取ることで、得をするからでしょう。おそらく廃車にせず安く修理を行い、再販する、廃車にはするけれども廃車費用に相当する以上の部品取りができるのでしょう。そのため、もしかすると業者によっては無料ではなく買い取ってもらえる可能性もあるということを頭に入れておきましょう。
買い取ってもらう
軽トラ・軽バンの事故車は絶対に売れない、と思う人もいるようですが、買取業者によっては買い取ってくれる場合もあるのです。もちろん、事故の状態にもよりますし。高価買取はなかなか期待できないかもしれませんが、価値があるケースもあるのです。そのことを知っている人であれば、すぐに廃車を考えず、事故車買取をしてくれる買取業者に電話をして、買取してもらうのです。
主に買い取ってもらえるような状態の軽トラ・軽バンとは、事故の損傷度が低いというのが一番でしょう。実際、修理をするのにそれほど費用がかからないケースもありますし、中には事故はしたけども事故車扱いにはならない程度の事故というケースも考えられます。また、軽トラ・軽バンの年式が新しく、状態もいいという場合には多少修理にお金がかかっても売れる場合があるのです。
もし、修復不能、修理をしても相場が修理代金よりも低い場合もあるでしょう。さすがにそれくらいだと買い取ってもらえないだろう、と思うかもしれませんが、実際、車のパーツが問題ない部分が多ければ、そこだけを取り外して廃車にするというケースもあるのです。そのため、高い金額にはならなくても、買取してくれる可能性があるのです。
よほど、車の年式も古く、走行距離も多い、事故で車が滅茶苦茶になってしまった、という状態以外なら、もしかすると買取してくれるかもしれないのです。軽トラ・軽バンの事故車=廃車とは決めつけず、まずは事故車買取をしてくれる買取業者に依頼してみましょう。