遠出しない
事故車に乗るのが怖い、避けてしまう理由の一つが、出先で故障してしまったらどうしようということでしょう。確かに、旅行に行っている最中に車が故障してしまえば、修理に出すのも業者がなかなかみつからない、修理に出せば、乗る車もないし急遽レンタカーを借りることにしても修理費とレンタカー代のダブルでお金がかかってしまいます。予定通りにもいかずに楽しいはずの旅行も台無しになってしまうことも考えられます。実際、事故車でもしっかり整備していれば、故障する可能性は極めて低いのですが、遠出をすることで車に負担がかかり、故障することもないとは言い切れないのです。
その点、軽トラ・軽バンは主に近場での荷物を運んだりするためにあるような車ですから、この車旅行に出かけるということも、遠出するということも少ないでしょう。そのため、たとえ事故車となった軽トラ・軽バンでも人気があるというわけです。もちろん、普通車の事故車も軽トラ・軽バンの事故車も、故障しやすさはどちらも変わらないでしょう。もしかすると軽トラ・軽バンのほうが作りは弱いので、事故車は故障が多いかもしれません。ただ、遠出をしませんから、万が一怪しい時には修理工場に持っていくこともできますし、万が一動かなくなってしまっても、近場ならそれほど困ることもないでしょう。
遠出をしない、遠出ができない軽トラ・軽バンだからこそ、たとえ事故車でも買い取りしてくれるというわけです。
スピードを出さない
事故車を運転することで、走行中に突然不具合が出てしまい、それによって事故を起こしてしまう、という不安がある人もいるでしょう。事故車でもしっかり修理・点検をしていれば、そうなる可能性は極めて低いですが、事故をしていない車に比べればやはり不安はあるのでしょう。
特に、車はスピードを出せば出すほど車体に負担がかかりますし、さらに事故率も高くなるのは新車も事故車も同じことでしょう。どちらかといえばやはり事故車のほうが故障する可能性は高いかもしれません。そのため、高速走行を行う可能性のある普通車などは事故車はあまり乗りたくないと思うことでしょう。最近は、軽自動車の性能もよくなっており、高速走行にも耐えられる車が多くなってきたのと、車体の基準が大きくなったために高速運転をして遠出をする人も増えています。そのため、軽自動車も事故車も不安でしょう。
ただ、軽トラや軽バンとなるとちょっと違います。軽トラ・軽バンは、荷物等の運搬などに主に使われるため、基本的にスピードを出すようなことは少ないでしょう。もちろん高速道路を軽トラで走ってはいけないということもないですし、実際には走っている人も見かけます。ですが、やはり本来はスピードはあまり出さず、畑や田んぼの仕事、引越し、荷物の運搬に使われるのが一般的です。スピードは出さないので、たとえ軽トラ・軽バンの事故車であっても、それほど故障はしない、また事故率もそれほど高くないというわけです。そのため、「畑に乗っていくだけだから事故車でもいいよ」となり、そういった人たちに人気なのです。
長時間運転しない
車は、乗り方によってかかる負担が違います。あまり近距離ばかり乗っていても車にとってはよくありませんが、やはり長距離を運転することでさまざまな部分に負担がかかってしまうでしょう。よく普段は何ともないのに、旅行に行ったときに故障するということを耳にすることがありますが、それがまさに長時間運転することで車に負荷がかかり故障した可能性も否定できません。さらに、それが事故車なら故障する可能性も高くなってしまうでしょう。もちろん、修理・整備をしていればその可能性も低くなりますが、それでも事故車は不安でしょう。そのため、長時間運転するような人には事故車はあまりおすすめできません。
一方で、軽トラや軽バンとなると、事故車でもそれほど負担にはならないかもしれません。それは、軽トラや軽バンで長時間運転するということはほとんどないからです。というか、特に軽トラは座席も動かせませんから、車だけでなく乗っている人にも負担がかかりますからおすすめできません。軽トラ・軽バンはせいぜい市内を走る程度、1時間くらい走行すれば長いほうで、数十分、数分しか走らないというケースのほうが圧倒的に多いでしょう。そのため、車にかかる負担も少なくて済みます。ということは事故車でもしっかり修理・点検していれば問題ないというわけです。
ただ、絶対大丈夫という保証できませんので、あとは自己判断となりますが、そういった理由から事故車でも軽トラ・軽バンでも人気があるのでしょう。
使い勝手が多い
軽トラ・軽バンが事故車でも人気がある理由には、普通自動車よりも使い勝手がいいということがあります。普通自動車は主に通勤や買い物などに使いますが、それ以外の活用方法はあまりありません。ワンボックスタイプなら、荷物を多く積めますし、多くの人数で移動できます。ですが、車体が大きくなりますので、その分運転しづらい、車庫にいれづらいという欠点があります。そして燃費も悪くなりますし、購入費用も新車だけでなく中古車、さらには事故車までも高いです。
一方、軽トラ・軽バンは、通勤でも買い物でももちろん使えますし、軽トラは荷台に、軽バンは車内にたくさん積めます。特に軽トラの場合は、泥のついた野菜や工具、ワンボックスカーの車内には積めないような大きさの荷物まで載せることもできます。引っ越しなどでは高さがある家具や、横にもできない冷蔵庫なども積めますから、ちょっとした引越しなら問題なくできます。それでいて車体は大きくありませんから、車庫入れも問題なくできます。さらに4WDなので雪道や山道も苦にしません。燃費に関しても、荷物を積まない状態なら車体も軽く、ガソリンの減りも少ないというメリットがあります。ただ、軽トラに関しては、2人乗りということなので、大勢の人を乗せることはできませんが、軽バンに限っては、7人乗りのものもあります。
このように、農作業、引越し、通常の買い物などさまざまな用途で使用できる軽トラ・軽バンは、たとえ事故車でも人気があるというわけです。
他人を乗せる機会が少ない
事故車を運転・購入するのに躊躇する理由は、やはり故障・事故が起こってしまうからということが多いでしょう。その中でも特に、「自分が事故を起こすのは構わないけど、もしも他の人を乗せていて事故を起こしたら大変」と思う人もいるでしょう。もちろん、事故だけでなく故障に関しても、他の人を乗せている時に車が動かなくなってしまったら、その人にも迷惑がかかってしまうでしょう。そういったことから事故車はあまり人気がありません。
ただ、軽トラに関しては、それが理由ということはあまり考えられないのです。軽トラの座席は運転席と助手席しかありませんので2人乗りです。もちろん、助手席に他人を乗せることもありますが、それでも普通車に比べればかなり少ないでしょう。そして、乗せてもその一人だけですので、万が一他人を乗せて事故を起こしたとしても被害が少ないということもいえます。また、遠出をすることもないですから、乗せても身内の方の買い物や農作業などで使うのがほとんどでしょう。軽バンで遠出することもないでしょうから、人を乗せるスペースはあっても、実際はそんなに他人を乗せることはないでしょう。
このように、他人を乗せる機会が少ないので、軽トラ・軽バンは事故車であっても人気があるというわけです。特に、軽トラ・軽バンの使用目的が、乗用ではなく、荷物の運搬用、農作業などであるならば、なおさら事故車であっても問題ないというわけなのです。
マニアがいる
世の中には、鉄道マニアや電車マニア、アニメオタクなどいろいろな種類のマニアの人たちがいるように、実は軽トラ・軽バンにもマニアがいるのです。あまり知られていないかもしれませんが、実は軽トラオタクは結構多いのです。
もちろん、軽トラ・軽バンそのものを何台も所有している人もいますし、さまざまなカスタマイズを行っている人もいます。シートやネットを付けてみたりという簡易な改造から、ボディーカラーを変えたりリフトアップしたり、内装を変えてみたりする人までさまざまです。こういったマニアにとっては、今発売している軽トラ・軽バンよりも、廃版となっているようなモデルのほうが人気があります。もちろん、中には軽トラ・軽バンでスピードを重視したカスタマイズをする人もいますが、たいていは乗り心地やスピードよりも、軽トラ・軽バンそのものが好まれるのです。むしろ、年式が古ければ古いほど人気があるのです。
そういった軽トラ・軽バンマニアにとっては、事故車であっても問題ないというわけです。もちろん、事故を起こしてしまい原形をとどめないようであれば意味がありませんが、修理をすれば見た目も走行も問題なくできるというのであれば、事故歴などよりも、その軽トラ・軽バンの年式や型式のほうが重要視されるのです。もちろん、走れるのが前提ですが、中には飾っておくだけというマニアもいるようです。もしかすると走行性能に難がある車でも人気がある車種はあるかもしれません。
販売価格が安い
軽トラ・軽バンと聞くと「安い車」というイメージを持つ人もいるかと思います。ですが、新車で購入すると意外に高いというのはご存知でしょうか?軽トラで高いものだと、乗り出しまで120万円を超えるものもありますし、軽バンになればさらに高く、150万円を超えるタイプのものもあります。実はちょっとした普通車よりも販売価格が高いのです。これは新車だけでなく中古車市場で同じことで、状態のいい軽トラ・軽バンだとなかなか販売価格が安くならないのです。
どの車でもそうですが、事故車となると販売価格はかなり下落します。特に日本では『事故車は危険』という風潮がありますから売れ行きも悪く、完璧に修理をしても中古車販売価格は高くなりません。当然、販売価格が意外と高い軽トラ・軽バンでも例外ではありません。事故車の軽トラ・軽バンはかなり安い値段で購入することができるのです。もちろん、安いからといってどこかに異常があるのではだめですが、しっかり修理さえしていれば問題ありません。しかも長距離運転をするわけでも人を乗せるわけでもありませんから、実際は事故車でも問題ないという人が多いのです。下手に年式が古く、性能も悪い事故歴のない軽トラ・軽バンを中古車で購入するよりも、比較的年式も新しく性能もいい修理が完了した事故車のほうが、実際に乗るのには故障がないかもしれません。そのため、軽トラ・軽バンに限っては事故車でも人気があるというわけです。
車庫証明がいらない
普通自動車を購入するとなると、意外と厄介なのが車庫証明を取らなければいけないというところです。車庫証明とは、その購入した車をどこに保管するのか、その保管するスペースの届け出をしなければいけないのです。庭が広いような家であれば、手続きが面倒なだけで問題ありませんが、庭がそれほど広くない、実際は停めるスペースがないという場合には登録することができない場合もあるのです。
軽トラ・軽バンは使い勝手がよく、いろいろな用途で使用できます。もちろん、停めるスペースがないのではいくら車庫証明が要らないとは言っても、購入しても困りものです。そのため、住宅が密集しているような地域に住んでいるような人は、いつも路上駐車というわけにはいきません。ただ、地方の比較的土地が広く残っているようなところでは、路上駐車をしても通報されないところもありますし、正式に賃貸契約を結んでいるわけではないが、地主の方に駐車を許可されているスペースに置くということもできます。もし、その場合、普通自動車なら車庫証明が取れないのです。実際に賃貸契約を結んで、駐車場を借りているという証明がなければ、車庫とは認められないのです。安い事故車を購入したのに、月々の駐車料金を支払うようになってしまえば意味がありません。
もちろん、車庫があってもいちいち車庫証明を取らなければいけないというのは手間がかかることですし、業者に依頼すれば手数料も取られることでしょう。そういった手間と費用のことを考えなくてもいいということで軽トラ・軽バンの事故車は人気があるのです。
税金が安い
軽トラ・軽バンの事故車は購入する費用が安くて済みます。その上、非常に使い勝手がいいので、気軽に購入する人が多いです。ですが、気軽に購入できるのは購入の際の費用だけが理由ではありません。もう一つの理由に、毎年かかる税金、燃費などの経費が安いということが言えます。
普通自動車の事故車も、中古車店では格安で購入できます。ですが、普通自動車の場合には毎年高い自動車税を支払わなければいけません。普通車の自動車税は、その排気量によっても異なりますが、排気量が少ないものでも29,500円(排気量1L以下)、高いものでは111,000円(排気量6L超え)にもなります。これが毎年請求されてくるのです。いくら車体価格が安くても維持するのが大変です。ですが、軽自動車の場合は7,200円なのです。しかも軽トラ・軽バンの場合、貨物扱いとなりますから、さらに軽自動車税が安く、たった4,000円で済むのです。また、毎年の自動車税だけでなく、2年に一度の車検の費用も安く済みます。さらに、車体重量も大きくありませんから、燃費も良く、ガソリン代も安く済むのです。ガソリン価格が高騰している現在、そういった燃費の面からしても節約できるというわけです。
せっかく安い事故車を購入しても、そういった税金が高くかかってしまっては、気軽に購入することもできないでしょう。そういった購入後の経費の面からみても、ほとんどお金がかからないということで、軽トラ・軽バンの事故車は人気があるのです。
流行り廃りが少ない
日本車の特徴というかデメリットとも言われるのが、数年ですぐモデルチェンジをしてしまうというところです。しかも性能だけが向上するのならいいのですが、デザインまで一新してしまいます。早ければ3~4年程度でニューモデルに代わってしまうこともあります。そのため、もし、新車で購入しても、モデルチェンジされてしまうと見た目でも『古い型式』と思われてしまうのです。海外の車はそうそうモデルチェンジを行いませんので、そんな心配はありませんが日本車の場合は、どうしても車のデザインで流行り廃りが出てきてしまうのです。
ですが、軽トラや軽バンはそうそう頻繁にモデルチェンジをおこなうことがありません。軽トラが走っているところを見たことがあるでしょうが、見た目だけで「あの軽トラはニューモデルだ」とか「古いモデルだな」なんてことはよほどのマニアでない限りわからないでしょう。そのため、軽トラ・軽バンは型式が古くても人気がそれほど下落しないのです。
これは、事故車の軽トラ・軽バンでもいえることで、事故を起こした古い車でもしっかり修理が行われれば問題ありません。たいてい事故車というと、どうしても年式も古くなってしまうものですが、軽トラ・軽バンはニューモデルが発表されるということがあまり多くないので、流行り廃りが少ないのです。そのため、事故車でも人気があまり落ちないというわけなのです。古い軽トラ・軽バンの事故車はだめということはなく、事故車の程度のほうが大事になるかもしれません。